『世界のともだち』全36巻

  • 2016.05.12 Thursday
  • 17:14
大変ご無沙汰しておりました。今年に入ってから、お店の他にも仕事をしているので、どうしてもブログや諸々が後回しになってしまっていました。少しずつペースを作っていこうと思います。

ところで、皆さんは旅行が好きですか?お店を覗いてくださる方は、外国語や異文化に興味がある方だと思うので、きっとその地に行ったことがある、または行きたいという気持ちがあるに違いないと、想像してるのですが・・・もちろん私も例外ではなく、ガイドブックなど見て、あれこれ計画を立てるのが大好きです。
今回は、ガイドブックとは一味違う、素敵な絵本を読んでみました。
 


「世界のともだち」というシリーズで刊行されている絵本なのですが、これがなかなかすごい!各国別に、ある一家に密着して時間をかけて取材しているんですね。主人公になるのは、それぞれの家族の中で、10才前後の子どもたち。彼らの目を通してみる日常は、ガイドブックよりもリアルで新鮮。

今回、図書館から借りてきたのは(最近、洋書ばかり買って、和書を買っていないなあ。ごめんなさい。)、ヨーロッパ圏の4冊。フランス、イタリア、ドイツ、イギリス。アジアから見たら、ヨーロッパの学校の仕組みなんて似たりよったりでは?と思っていたのですが、これもかなり違う。制服の有無、お昼はしっかり食べる or 適当、通学は週4日もあれば週6日という国も・・・驚くことばかりです。

でも、どの国の子どもたちも、友達と遊ぶ時、大好きなことをしている時の目はきらきら輝いていて、見ているこちらも楽しくなってしまいます。彼らのご両親はというと、様々な職業で、これもまた興味深い。そして、それぞれに事情を抱えていて、複雑な状況も実際にはあるのです。

現地に行ったこともなく、子どもたちに直接会ったこともないのに、なぜか近くに感じてしまうのは、各巻とも写真家の方々が、長い時間をかけて取材、撮影しているからでしょう。彼らが、被写体となる家族と信頼関係を築いているから、こういう不思議な印象が、本を通して伝わってくるのだと思います。

写真家の方々のあとがきも、面白さの一つ。そこで違った側面を知り、より深く心に響いてくる。図鑑や地理の絵本は、お話に比べ、馴染みがないかもしれませんが、質の高い絵本、結構あります!次は同シリーズのアジアの国々を読んでみよう。

*『世界のともだち』
偕成社(2014〜2016年刊行)

『えんにち』五十嵐 豊子

  • 2015.07.24 Friday
  • 14:36
今週末あたり、「地元は夏祭り」という方も多いのではないでしょうか。私の地元(真岡市)でも今日、明日とお祭りです。明日は花火大会(こんな小さな町でも、なんと2万発は上がるのです!)なので、中心部はかなりの人出に違いなく・・・
人混みを避けたいというのもあるのですが、自宅から100mほど歩いた川沿いが意外にもベストスポット。

今でこそ、「花火は遠くから眺めればいいかな」という考えですが、小・中学生の頃といえば、屋台が何よりの楽しみ。ということで、今日の絵本はこちら。図書館で見つけましたよ。

 


文字なし絵本なのですが、ひたすら屋台にフォーカスして描かれた絵本!しかも、ちょっと、いやだいぶ昔に出版されたものなので、ある世代には「懐かしい!」と思うものもあれば、今の子どもたちには「これ何?」いうものも・・・それでも、今も健在の屋台(焼きそばやあんずあめ、たこやきなど)を見ると、屋台ならではの良さを再認識。

ところで、この辺りの地域では、夏の屋台というと必ずと言っていいほど見かけるのが「煮いか」の屋台。「いかやき」ではないですよ、煮たイカなんです。それも1店だけではなく、複数の煮いかやさんが出店しているんですよね。東京や他地域に住んだ後に、これは地元ならではのものなんだと気づきました。海なし県なのに、どうしてイカなのかは謎ですが・・・

もう一つ思い出したのが、小学校の運動会の日。私の子どもの頃は、どういうわけか校庭の中にずらっと屋台が並んでいたものです。お昼時と放課後しか買ってはいけない決まりでしたが、これもまた、他県出身の友人に話すと驚かれます。「校庭に屋台、あり得ない」らしいです。昔はいろんな意味でゆるかったんでしょうね。

皆さんの地域ではどんな屋台がありますか?

*『えんにち』
五十嵐 豊子(作)
福音館書店(1973年刊行)

『クリスマスのおかいもの』たしろ ちさと

  • 2014.12.14 Sunday
  • 14:19
どういうわけか、今年はちっともクリスマス気分になれなくて、少しさみしい。まあ、浮かれる年齢でもないわけですが・・・街の華やかな雰囲気が、ばたばたの選挙戦やら前倒しのセールなどで、以前のものとは異なってきている気がしませんか?

冬のセールと言えば、初売り以降が定番だったのに、今や12月どころか11月下旬くらいから始まっているようです。こうなると、いつ買っていいかわからないですよね。もっと言うと、セール期間でない時はいつ?という感じもします。

消費者的にはお得に買えてありがたいのですが、メリハリがなくなってしまっているのも事実。(小売業の厳しさは、重々承知で、気持ちはわかる)前置きが長くなってしまいましたが、クリスマス前の楽しい気分が味わえる絵本を、ご紹介します。



もみのきマンションに住むのは、うさぎのはなちゃん、きつねのこんくん、あひるのがあおくん、りすのりすこちゃん。クリスマスには1階に住むはなちゃんのいえで、みんなでパーティーです。

今日は、クリスマスイブということで、街にみんなで買い出しに。こんくんは何やら準備で忙しく、お留守番です。

いろいろなお店がいっぱいの商店街には、たくさんのお客さん。町並みはちょっとヨーロッパ風。なのに、お店の名前や、棚に並んだ品物の名前はみんな日本語で、これがまたぐっとくる。思わず隅々まで見てしまいますよ。子どもたちはこういうの、きっと好きです。

3人はそれぞれ思い思いのものを買うわけですが、これまた個性が出ています。手作りのケーキを作るために材料を買ったはなちゃん。一人一人の趣味にあった絵本を選んだりすこちゃん。高級店でお小遣いをはたいて、みんなのくつ下を買ったのはがあおくん。こんくんは自作の品をプレゼント。

どのプレゼントが一番か、なんていうのはナンセンス。相手を思って選んだプレゼントはどれも素敵です。

そうそう、クリスマスといえば、欠かせないのはクリスマスツリー。街に出た3人が並んで買ってきたきらきら飾りは、いったいどんなふうに飾り付けられたんでしょう?4人が住む「もみのきマンション」から想像してみてくださいね。

*『クリスマスのおかいもの』
たしろ ちさと(作)
講談社(2009年刊行)

『行ってみたいな あんな国こんな国シリーズ』東 菜奈

  • 2014.03.21 Friday
  • 20:38
ご無沙汰しておりました。3月に入ってお店以外のことであれやこれやと忙しく・・・さらには、全く体調がついていかない・・・などなど、ほんとうに情けない・・・そんなわけで、久々のブログです。

今日の絵本は、お話ではなく、地理や異文化をテーマにした絵本です。



私が持っているのは旧版(全5冊)の一部。アジア、ヨーロッパ、北米などおおまかに1冊ごとにわけられています。そこで取り上げられる国について、特色をそれぞれ4ページほどの分量で紹介。

日本にずっと住んでいると、実際にその国に行ったことがなければ、中東の国々はみんな同じようなイメージ(アラビア語圏でスカーフを巻いている、といった)になってしまいますよね。欧州の人から見ても、アジア人の区別はどのくらいできるのかな、と疑問です。

実際に絵本を読んでみると、現地の生活習慣はそれぞれ違うようで興味深い。B5版フルカラーなところも、地図好き、旅行好きにはたまらない。

実は私も、ガイドブックには目がないほうで、特に海外に行く前は、どっぷりガイドブックに浸かります。もちろんネットでもいろいろ情報を集めるのですが、計画を立てている時が一番楽しい!というわけで、我が家での旅行の手配は、すべて私が担当です。

ちょっと脱線しましたが・・・こちらは絵本なので、ガイドブックほどの情報量はないですが、最初のとっかかりとしては、素敵な内容です。温かみのあるイラストと楽しく読める構成は、小学生向けに配慮されたもの(子供だけに読ませるのはもったいない!)。



数年前からは、新版(上の写真、全7冊)に改訂されてます。新版のほうが、地域分類がまとまっている感じがします。

本当は全部揃えたいところですが、これ、一冊ずつが高い(3000円弱)のです。なので、新版は図書館から借りて、現在堪能中。

余談ですが、海外ニュースをさらっと知りたい時、意外と便利なのが「BBC NEWS」のアプリ(無料)。だいぶ前にスマートフォンに入れてみて、時々思い出したように使っている程度でしたが、最近は愛用してます。

ワールドワイドで話題になっている事柄(今なら行方不明の飛行機とか)などは、日本よりも早いです。とりわけイギリスびいきというわけではないですが、出所がはっきりしているところのニュースは、ネットでは安心な気もします。

日本語で書かれていたら言うことなしですが、こればっかりは・・・それでも、つたない英語力を駆使して拾い読みしております。こういうお店を開いていると、ものすごく言葉が堪能だと思われることが多いのですが、いやいや全然。私は語学のプロではないんです。絵本はとても好きですが。

まあ、ご興味ある方、絵本やアプリ、試してみてくださいな。意外な発見があるかもしれませんよ。

*『行ってみたいな あんな国こんな国』シリーズ
東 菜奈(作)
岩崎書店(2010年新版刊行)

『くんくん、いいにおい』たしろ ちさと

  • 2014.01.28 Tuesday
  • 23:11
さっきパンが焼けたので、うちの中のはパンのいいにおいでいっぱいです。料理が苦手な私(謙遜ではなく本当にそう)が買ったホームベーカリー。4年ほど前に買いましたが、これは買って正解のものでした。

私の場合、米を炊くかのごとく、ひたすら食パンだけを焼くのですが、原価170円ほどで十分な出来上がりです。

って、料理ブログのようですが、これ以上のネタはないので、絵本に移りますね。「いいにおい」で思い出したのはこちらの絵本。見た目もなんだかおいしそう。



『しろちゃんとはりちゃん』でおなじみの、たしろちさとさんの絵本です。身の回りにあふれる「におい」に注目した絵本なんですが、温かみのある絵がなんとも言えないくらいいいんです。

焼きたてパンのいいにおいから始まって、果物のすっぱいにおい、あまいにおい。炊きたてのごはんに、焼き魚のにおい。

外に出て、ぶらんこで遊べば、手のにおいは鉄のにおい。お母さんと一緒に歩く商店街は、知ってるにおいも、知らないにおいも混ぜこぜ。

もちろん、いいにおいばかりではありません。犬のふんのそばに近寄ってみると・・・?トラックの排気ガスは・・・?(トラックのナンバーにもちょっとした遊び心?)

「においって奥が深いなあ」と思うのは、記憶との結びつき。うれしいにおい、げんきなにおい、なつかしいにおい・・・

甘いクリームのにおいは、誕生日にケーキを作ってもらった「うれしいにおい」。みんなで芋掘りをした土のにおい、汗のにおいは「げんきなにおい」。夏の夜の庭先の花火のにおいは「なつかしいにおい」。

視覚や味覚も様々なものとつながっているけれど、においや香りは、一瞬にして記憶を呼び覚ますような気がします。

そんな「におい」の奥深さを、難しい言葉なしに伝えてくれる絵本です。可愛くてセンスのある本、おすすめですよ。

*『くんくん、いいにおい』
たしろ ちさと(絵)
グランまま社(2006年刊行)

『おめでとう』もたい たけし/ひろまつ ゆきこ

  • 2014.01.01 Wednesday
  • 21:23
あけましておめでとうございます。
少しずつでも商品を増やすことができたのも、みなさまのおかげです。

「いい本だな。」と思って仕入れて、それを「欲しい!」と思ってくれるというのが、一番うれしいです。今年も地道に良い本を仕入れて参りますので、よろしくお願いいたします。



お正月ならではの絵本といえば、こちら。おめでたい気分で、気楽に読める一冊です。

うさぎとうさぎが「おめでとう」。あの子とわたしも「おめでとう」。という具合に、動物も人も、世界中みんなで「おめでとう」という、ただそれだけの絵本なんです。一言で言うと。

でも、実際それだけでいいのかもしれないですよね。ニュースでも、世界各国の新年の映像というと、カウントダウンと共に上がる花火。そして、みんなで「おめでとう!」。

日本人的には、新年に花火といのはピンと来ないなあ、と思っていたら、BBCでは「日本では花火を上げない代わりに、神社にお参りにいく」と、紹介されていました。静かに祝う日本は、珍しいタイプなのかもしれませんね。

どんな祝い方でも、新年を無事に迎えられて、「おめでとう」と言い合えるだけで幸せなのかも。そんな気持ちがつまった絵本。なかなかいいですよ。

こちらは、若くして亡くなられた茂田井武さんの絵に、広松さんが文章をつけ再構成された作品となっています。

*『おめでとう』
茂田井 武(絵) 広松 由希子(文)
講談社(2009年刊行)

『ゆきがふる』蜂飼 耳/牧野 千穂

  • 2013.12.15 Sunday
  • 22:12
『うきわねこ』のお二人の新作と聞けば、読まずにはいられませんよね。私も早速読んでみました。でも今回は、心にちょっぴり痛みが残るかもしれません。



主人公のふうちゃんは、うさぎの男の子。雪の日の独特な静けさの中、一人で外にいます。雪の時だけに現れる道を通っていくと、その先にはふわふわころりの家。

大きな雪男のようなふわふわころりは、雪でテーブルや椅子を作っているところ。ふうちゃんに、甘い雪のお菓子を振る舞ってくれました。(雪の結晶でできたぺろぺろキャンディーみたいで素敵!)

そこにやってきたのは、ゆきぐも。フード付きのコートをきた可愛らしい(でもどこか冷たそうな)女の子の姿をしています。手にもっている糸の先には、風船のように浮かぶ灰色のくも。どうやらこれで雪を降らせるみたいです。

ゆきぐもが降らせる綺麗な雪を見て、ふうちゃんはお願いをします。熱を出している妹が見られるように、家のそばで降らせてほしいというお願いです。

ちょっとしたお願いのようだけれど、ゆきぐもが言うには、一番大事なおもちゃとの交換が条件。ふうちゃんはそれを良しとして、願いは叶えられました。

お母さんに赤い車の所在について聞かれても、水路に落としたことにしてしまったふうちゃん。

ふうちゃんが差し出したおもちゃの赤い車は、実はお父さんとの思い出の品。最後のほうで、お父さんの不在が明らかになり、心がきゅっとくる・・・。

牧野さんの繊細な絵と蜂飼さんの洗練された文章は、もちろん好きです。ですが今回は、文章を削ぎ落した分、読者の想像に委ねる部分が多くなってしまったのではないかな、と思いました。読後、ちょっとしたお願いにしては代償が大きいのではないか、と感じる人は私だけではないはず。

大事な思い出の品と交換してまで、雪を見せたいと思う妹は、よほどの病状なのかしら。(ページを繰っていくと、元気になっているようですが)

それとも、自然というものを自分の思い通りにしようとすることには、それなりの代償が必要ということなのでしょうか。どこか近寄り難いゆきぐもの雰囲気は、馴れ合いにできない冷たさが漂っています。

もしかしたら、周囲が思っているよりも、お父さんとの思い出に捉われてしまっているふうちゃんの心の成長について描いてる?思い出を手放すことで前に進めるのかな?などなど、解釈はいかようにでもできてしまう気がします。

最後のページで、雪が降る中、元気に外に飛び出していくふうちゃんと妹の姿が、ほっとさせてくれるのですが、やっぱりちょっと重い読後感なのは否めません。

単純明快な絵本というのではなく、味わって読む文学作品として捉えたほうが、楽しめると思います。みなさんの感想はいかがでしょうか?

*『ゆきがふる』
蜂飼 耳(文) 牧野 千穂(絵)
ブロンズ新社(2013年刊行)

『しろちゃんとはりちゃん』たしろ ちさと

  • 2013.12.04 Wednesday
  • 21:33
動物が出てくる絵本って、なんだかなごみますよね〜。しかも、うさぎとはりねずみという、ぐっとくる組み合わせ。一目でやられてしまいました。



うさぎのしろちゃんとはりねずみのはりちゃん。二人は一緒に暮らしています。好きなテレビ番組も好きな絵本も一緒。とっても気が合う二人なんです。でも、そんな二人にもある時危機が・・・

今日のご飯はカレーライス!二人ともそう思っていたところまではいいのですが・・・何のカレーにするかで意見は真っ二つ。エビカレーにたまごカレー。どちらも一歩も譲りません。

こうなってしまうと、さあ大変。けんかして、はりちゃんは家を出て行ってしまいました。一人残されたしろちゃんは「構うもんか」という感じで、家でごろごろ。でも、なんだか落ち着きません。

外では雪が降り始めたようです。不意にはりちゃんが心配になって、外にさがしにいくしろちゃん。崖から落ちちゃったらどうしよう。猟師に撃たれちゃったかも。それともオオカミに食べられちゃった!?

いろいろ妄想がふくらんで、とうとう泣き出してしまったしろちゃんのところに、はりちゃんが現れます。家に戻ったらいなかったから探しにきたんですって。

どちらもお互いが大事、と再認識して家路につく二人。お夕飯はもちろんカレーライス。エビもたまごも両方入ったカレーは、今までで一番美味しいカレーだったみたい。

シンプルだけど、ほのぼのしたストーリーは何度も読んでみたくなります。何より、たしろさんの絵が味わいがあって素敵です。しろちゃんの後ろ姿やはりちゃんのころっとした形は眺めていて飽きません。

おやつ時にこの絵本を読んでいたら、無性にカレーが食べたくなって、スーパーに行きがてら、パン屋さんでカレーパンを食べてしまいました。可愛くて美味しそうな絵本です。皆さんもお試しください。

*『しろちゃんとはりちゃん』
たしろ ちさと(作・絵)
ひかりのくに(2013年刊行)

『おそとがきえた!』角野 栄子/市川 里美

  • 2013.11.23 Saturday
  • 23:54
日差しが恋しい季節。窓辺で日向ぼっこは至福の時ですよね。でも、もし窓はあっても、ほとんど日が入ってこなかったら・・・それはとても悲しいかも。



小さな家に住むチラさんはおばあさん。ねこちゃんと一緒に穏やかな毎日を送っています。小さなおうちは、窓もいっぱいあって心地よさそう。でも実際は、高い建物に囲まれて、空も見えなくて一日中暗いんです。

そういうわけでチラさんは、住宅抽選へのハガキを何度も出しています。でも一度もあたりません。「あたるわけないわ。」と言うチラさんにを励ますねこちゃん。「出さないと当たりませんよ。」

ある寒い日。チラさんが外を見ると、全く何も見えません。おそとが消えちゃった!と思ったチラさんでしたが、外は深い霧なのでした。

扉をしめて、チラさんはつぶやきます。「おそとなんて消えちゃってもいいわ。」代わりに何を始めたかというと・・・温かい部屋の窓は湯気で曇っています。窓を真っ白いキャンバスに見立てて、お絵描き遊びの始まりです。

チューリップに小鳥にちょうちょ。まるで春の公園のような風景をチラさんとねこちゃんは楽しみます。

そんな冬の日々は過ぎ、春になりました。ポストに何か届いたと思ったら、「住宅当選」のハガキです。

山のおくの新居に引っ越したチラさんとねこちゃん。新居には夜に着いたので、外の様子はわかりません。

翌朝、朝日が差し込み、びっくりして飛び起きたチラさんたち。外に出てみれば、思い描いた通りの風景が広がっているではないですか。窓を拭いても消えない本当のおそと。ようやく二人は手に入れたました。

この絵本は、大人のほうが心に響くと思います。内容もどちらかというと自己啓発の内容に近いのではないかな。希望を持ち続けることや、願えば叶う(引き寄せの法則)という部分は、まさにそう。

そして、周囲が嫌な環境でもそのことばかりを考えない。不平不満をずっと言うのではなく、チラさんたちは毎日を楽しく暮らそうとしています。スープを煮ながら、小声で歌って過ごすのは、引っ越してからも変わらないんですよね。

前向きな気持ち。持ち続けるのは時として難しいときもありますが、意識してでも持ち続けたいものです。

この絵本の表紙は、ちょっと暗めな印象なんですが、市川さんの作品は、他でもおすすめのものがたくさんあるので、またの機会にご紹介しますね。

*『おそとがきえた!』
角野 栄子(作) 市川 里美(絵)
偕成社(2009年刊行)

『もりのおくのおちゃかいへ』みやこし あきこ

  • 2013.11.20 Wednesday
  • 14:26
寒くなってきましたが、風も穏やかで過ごしやすい一日でしたね。これからの季節にぴったりな、可愛らしい絵本を今日は紹介します。



雪が降った翌朝、少し離れたところに住むおばあちゃんのところへ、お父さんは雪かきをしに出かけていきます。でも、お土産のケーキを忘れていってしまいました。

今から追いかければ間に合うかも。そう思ってキッコちゃんは、ケーキを持ってお父さんを追いかけます。赤いニット帽と手袋がとてもかわいい。

遠くに黒いコートを着た人影が見えて、お父さんだと思ったキッコちゃん。走り出した途端、転んででしまってケーキの箱はぐしゃり。

泣きそうなのをこらえて、ようやく追いついたと思ったら・・・あれ、知らない家にお父さんは入っていきます。窓から家の中を覗いてみると・・・なんと、クマさん。お父さんじゃない!

驚いているところへ、声をかけたのがヒツジの子。誘われるままに家の中にキッコちゃんは入っていきます。

中にはたくさんの正装した動物たち。驚いたのはキッコちゃんだけではありません。動物たちも目を丸くしてびっくり。

でも、どきどきしながらキッコちゃんが挨拶すると、皆、喜んで受け入れてくれました。楽しいお茶会の始まりです。

おばあちゃんへのお土産が台無しになってしまったことを話すと、みんなは「ケーキならいっぱいあるよ!」と言って、それぞれ持ち寄ってきたであろうケーキを分けてくれるんです。大きいのや小さいの。タルトやパイにモンブラン。どれも森の木の実がいっぱいです。

どのページもモノトーンの色調が多めの印象です。そのためなのか、所々で使われる鮮やかな色が効果的に感じられます。黒々とした木立に一面の真っ白い雪。そこを走っていく赤い帽子のキッコちゃん。

家の中でも動物たちの色調は控えめで、そこにパッと現れる色とりどりのケーキ。この視覚効果、意外と侮れませんよ。

さて、その後のキッコちゃんは、動物たちの気持ちがたっぷりつまったケーキの箱を持って、おばあちゃんの家を目指します。森の中を動物たちと一緒に大行進です。ようやく辿り着いて、ドアの前で後ろを振り向くと・・・みんないなくなっていました。

人間と同じような生活をしている動物の世界があったり、まるで外国のような森の中にキッコちゃんが住んでいたりと、不思議な雰囲気なんですが、あまり難しく考えず、独特な世界を楽しんでみてください。そこを味わうのが絵本の醍醐味かもしれませんね。

*『もりのおくのおちゃかいへ』
みやこし あきこ(作)
偕成社(2010年刊行)

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