『ゴナンとかいぶつ』イチンノロブ・ガンバートル/バーサンスレン・ボロルマー

  • 2013.08.30 Friday
  • 20:17
欧米のものが多い翻訳絵本ですが、今日はモンゴルの絵本を取り上げてみようと思います。



生まれた時から人一倍力持ちのゴナン。おじいさんとおばあさんと平和に暮らしています。描かれている家や風景からすると、遊牧民のようです。

村に突如やってきた怪物マンガスは、暴れ回り、みんなの大切なものや家畜を奪っていってしまいました。表紙の3つ目の怪物がマンガスです。

そこでゴナンが、マンガスをやっつけに行く旅にでるのですが、なんだか桃太郎みたいですね。といっても、ゴナンのお供は賢い白い馬だけ。9日も走り続けてもマンガスのところまでまだまだ遠い。

ようやく目にしたのは、真っ赤な波が渦をまく「じごく海」。これを白い馬でなんなく飛び越え、岸辺に下り立ちます。

次なる難関は、白い大きな山。よく見ると、骨が積み重なってできています。今度はこれを刀で切り裂きつつ進み、突破するゴナン。さあ、マンガスの住処は目前です。

マンガスとの一騎打ちは、弓矢あり、馬での競争ありと盛りだくさん。最後はもちろんお相撲です。一番モンゴルらしさが出ているのは、ここかもしれません。

長期戦の末、弱点をついたゴナンが勝利するわけですが、まあ、この辺は昔話ではお決まりのハッピーエンドですかね。

もう一つ、モンゴルのちょっと変わったお話を見つけたので、こちらもご紹介。



表紙を見た時、小学校の頃はやったビックリマンチョコのシールを思い出しました・・・が、これはもちろん全く別物です。切り絵なんですよね。内容は王宮を舞台にした戦いといった感じでしょうか。

後に王となるゲセルは、下女の部屋で生まれた男の子。予言によって、未来の王となる赤ん坊がいることを察知した大臣チョトゥンは、次の王の座を奪われないよう、ゲセルを殺そうとします。

でも、生まれながらにして不思議な力で守られているゲセルには、手も足もでません。そこで洞窟に住むラトゥナ隠者(魔術師のような仙人のような感じでしょうか。)に、彼をやっつけるよう頼みにいきます。

一方、人の倍以上の早さで育ち始めたゲセルは、3週間で4才くらいの背丈に。4才といえども、不思議な力を持つゲセルは侮れません。ラトゥナ隠者にとって、ゲセルとの一騎打ちは、本気の魔法対決です。

この様子が、美しい切り絵で描かれていて、欧米のものとは違う雰囲気を醸し出しています。この絵本は、民間伝承がもとになって作られていますが、作者のあとがきでは、アーサー王伝説との関係や、中東やアジアでの民話や伝説についても、考察されていますので、そちらも興味深いです。

ゲセルの絵本は、今は古書市場での流通のみのようなので、ちょっと残念ですね。

*『ゴナンとかいぶつ』
イチンノロブ・ガンバートル(文)
バーサンスレン・ボロルマー(絵)
津田 紀子(訳)
偕成社(2013年刊行)

*『光の子ゲセル』モンゴルの伝説
野中 惠子(作) トゥルブラム・サンダグドルジ(絵)
審美社(2009年刊行)
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