『紙のむすめ』ナタリー・ベルハッセン/ナオミ・シャピラ

  • 2013.10.18 Friday
  • 19:56
今日は、素敵な切り絵の絵本をご紹介します。この絵本、いろんな意味で貴重な絵本なんです。



白い紙の丘に、一軒の小さな白い家。そこに住んでいるのは、白い紙から生まれた一人の娘。

なだらかな丘も、咲き乱れる花々も、すべて繊細な切り絵で表現されています。その隙間から見える背景の色は、茶色であったり、鮮やかなピンクであったり様々です。

シルエットとして「黒」を効果的に使う切り絵もありますよね。こちらの作者は「白」を基調に制作。ビビッドな背景色との対比が美しい!

さてお話はというと、素敵な世界に住んでいるのに、お嬢さんはひとりぼっち。ある朝、洗濯物を干していると、大きな紙が飛んできます。

早速、気の向くままにはさみを動かすと、切り抜いたの大きな気球。これに乗って空の旅へ出発です。でも、その楽しさを話せる相手は・・・いないんですよね。

ヨットを作っても、美しいドレスを作っても結果は同じ。悲しくなって泣きながら眠った翌日、庭を見たお嬢さんはびっくり!そこには大きな木が生えていたんです。葉っぱはすべて白い紙。なんでもたくさん切り抜けます。

この辺りから、切り抜くものも違ってきます。イヌやネコ、うさぎにことり。命あるものへと変わっていくんですね。

紙の葉っぱも残り少なくなった頃、ようやく本当に必要なものがわかったお嬢さん。「お隣さん」を切り抜いたことから、世界が生き生きとしたものに変わっていきます。

お話としては、予想できるような内容ではあるかもしれません。でも、それを上回るほどの芸術作品なので、読んで損はないですよ。(切り絵をプリントした形での出版ですが、それでも十分味わえます。)

こちらはイスラエルの絵本で、原書はヘブライ語。現地で出版されたものにISBNは無いようで、どのくらいの部数が刷られたのかも良くわかりません。

このように翻訳出版されなかったら、私たちが目にすることはなかっただろうな、と思います。訳者の方や出版社の方々に感謝です。

そんな部分も含めて、どことなくエキゾチックな雰囲気が漂う絵本、楽しんでいただけたらと思います。娘のドレスや箱、見返しの文様なども必見です。

*『紙のむすめ』
ナタリー・ベルハッセン(作) ナオミ・シャピラ(絵)
もたい なつう(訳)
光村教育図書(2013年刊行)
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