『もりのおくのおちゃかいへ』みやこし あきこ

  • 2013.11.20 Wednesday
  • 14:26
寒くなってきましたが、風も穏やかで過ごしやすい一日でしたね。これからの季節にぴったりな、可愛らしい絵本を今日は紹介します。



雪が降った翌朝、少し離れたところに住むおばあちゃんのところへ、お父さんは雪かきをしに出かけていきます。でも、お土産のケーキを忘れていってしまいました。

今から追いかければ間に合うかも。そう思ってキッコちゃんは、ケーキを持ってお父さんを追いかけます。赤いニット帽と手袋がとてもかわいい。

遠くに黒いコートを着た人影が見えて、お父さんだと思ったキッコちゃん。走り出した途端、転んででしまってケーキの箱はぐしゃり。

泣きそうなのをこらえて、ようやく追いついたと思ったら・・・あれ、知らない家にお父さんは入っていきます。窓から家の中を覗いてみると・・・なんと、クマさん。お父さんじゃない!

驚いているところへ、声をかけたのがヒツジの子。誘われるままに家の中にキッコちゃんは入っていきます。

中にはたくさんの正装した動物たち。驚いたのはキッコちゃんだけではありません。動物たちも目を丸くしてびっくり。

でも、どきどきしながらキッコちゃんが挨拶すると、皆、喜んで受け入れてくれました。楽しいお茶会の始まりです。

おばあちゃんへのお土産が台無しになってしまったことを話すと、みんなは「ケーキならいっぱいあるよ!」と言って、それぞれ持ち寄ってきたであろうケーキを分けてくれるんです。大きいのや小さいの。タルトやパイにモンブラン。どれも森の木の実がいっぱいです。

どのページもモノトーンの色調が多めの印象です。そのためなのか、所々で使われる鮮やかな色が効果的に感じられます。黒々とした木立に一面の真っ白い雪。そこを走っていく赤い帽子のキッコちゃん。

家の中でも動物たちの色調は控えめで、そこにパッと現れる色とりどりのケーキ。この視覚効果、意外と侮れませんよ。

さて、その後のキッコちゃんは、動物たちの気持ちがたっぷりつまったケーキの箱を持って、おばあちゃんの家を目指します。森の中を動物たちと一緒に大行進です。ようやく辿り着いて、ドアの前で後ろを振り向くと・・・みんないなくなっていました。

人間と同じような生活をしている動物の世界があったり、まるで外国のような森の中にキッコちゃんが住んでいたりと、不思議な雰囲気なんですが、あまり難しく考えず、独特な世界を楽しんでみてください。そこを味わうのが絵本の醍醐味かもしれませんね。

*『もりのおくのおちゃかいへ』
みやこし あきこ(作)
偕成社(2010年刊行)
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