『お祭りにいけなかったもみの木』市川 里美

  • 2013.12.09 Monday
  • 22:50
ようやく冬らしくなってきましたね。暖かい日続きだったので、11月の気分が抜けず、あと2週間ほどでクリスマス。3週間もすれば年末と気づき唖然・・・のんびりしているうちに年が明けていそう。

今日の絵本は、意外と知られていないクリスマスの絵本を紹介します。もしかしたら現在は再販未定になっているかも。いい本なんだけどなあ。



もうすぐクリスマスのある日。森のはずれに並んで立っているもみの木たちはそわそわしています。「クリスマスにはどんなドレスが着たい?」そんな話題で持ちきりです。

もみの木からすれば、クリスマスの飾り付けは素敵な洋服。まさにドレスですね。みんなの理想のドレスは様々。お花でいっぱいのドレス、夕焼け色に光るドレス、お星さまがいっぱいのドレス。

みんな思い思いのドレスを口にしますが、一番小さいもみの木は聞いているだけでした。誰も小さいもみの木に、話しかけてくれなかったからです。

ある朝のこと。車が一台やってきたかと思うと、大きな音とともに、周りのもみの木を運んで行ってしまいました。残ったのは小さなもみの木だけ。

自分だけを置いて、みんなはお祭りに行ってしまったんだ、自分が小さいせいだ、と悔しくてやりきれなくなってしまうもみの木。

と、そこへ、どこかから話しかけてくる声があります。見回すと、少し離れたところに年を取ったもみの木が一本。「おちびさん、どんなドレスが着たかったのかい?」ときいてくれました。

小さなもみの木が着たいドレスは、白く透き通ったドレス。暈がかかった時のお月さまのようなドレスです。でも、小さいから無理かも・・・

そんなふうに諦めようとするのを、年取ったもみの木が優しく励まします。「願いを持ち続けていれば叶うよ。」

クリスマスの当日、そんな2本のもみの木に思いがけない出来事が!それぞれが思い描いたようなドレスに身を包むことになるのですが、それがまた素敵なサプライズ。どんなドレスかは、読んでみたほうがいいので、書かないでおきますね。

こちらの作品は「翻訳絵本」としてご紹介していますが、実はフランス語版が原書だからです。著者の市川さんはフランスに長く暮らしている方。フランスで出版された絵本が、角野さんの翻訳によって日本語版で出版されたということのようですね。

こうして読んでみると、もみの木にとってはどっちの一生が本当に幸せなのかな、と考えてしまいます。根元を切られて運ばれて行ったもみの木たちはどうなったのだろう。

ちょっと複雑な思いも残るのですが、ほのぼのとした2本の姿を最後に見ると、それもまた人生、という感じがしてきます。

うーん、今日はなんだかまとまりのない文章でごめんなさい。次回はもっと気合いを入れて書きますね。

*『お祭りに行けなかったもみの木』
市川 里美(作) 角野 栄子(訳)
偕成社(2000年刊行)
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