『フレデリック』レオ・レオニ

  • 2013.12.30 Monday
  • 23:05
年末最後のお話はこちら。有名なので、私が取り上げなくてもご存知の方は多いはず。



牧場の近くの石垣に住むのは5匹のねずみ。納屋もサイロも近いのだけれど、お百姓さんが引っ越してしまったので、今年の冬は大変になりそう。

ねずみたちは、寒い冬に備えて食べ物を集めます。朝から晩まで一生懸命。でも1匹だけ、フレデリックだけは別。

みんなが尋ねると、「おひさまのひかりを集めてる」「いろを集めてる」なんて答えが返ってくるのです。どうみても、じっとしてるだけなのに。

とうとうやってきた寒い冬。5匹は、集めた食べ物でぬくぬくと巣ごもりです。でもそれは最初のうちだけ。だんだん食べ物も尽きてきて、寒いし、しゃべる元気もありません。

そこでみんなが思い出したのが、フレデリックが集めたもの。そしてフレデリックが言うとおりに、おひさまの金色の光を想像してみると・・・

体がなんだかぽかぽか。フレデリックが続けて語る、色鮮やかな夏の風景で、夢見心地になった4匹。最後に素敵な詩を吟じて、拍手喝采。みんなに「詩人じゃないか。」と言われ、照れるフレデリックが可愛らしい。

このお話、真面目に主題を考えると、物質的な充足感より、心の(想像力の)充足感ってことなのかもしれませんが、こんな見方も・・・夫に読ませたら、「これって、詩人たちの言い訳じゃない?」と一言。

この絵本の訳は、詩人の谷川俊太郎さん。絵本のはしがきでは、レオニは絵本作家であり詩人だ、と絶賛しています。

有名な方々だから、何とも思わないけれど、普通なら「職業は詩人」と言ったら、どうやって暮らしているのかな、と思われがち。9時から5時は机に向かって書いています、というわけではないでしょうから、日々何やっているんでしょうね、と思われても不思議でない。

そんな誤解を、フレデリックを通して弁明してみたのでは、というわけです。何もしてないようだけど、実は彼らなりにちゃんとやるべきことをやっているんです、と。

確かに・・・今回はわりと説得力あるかも、と納得してしまいました。まあ、絵本の解釈は、読んだ人それぞれのものでいいわけで。みなさんはどう思いますか?

*『フレデリック』
レオ・レオニ(作) 谷川 俊太郎(訳)
好学社(1969年刊行)
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