『HOUSE HELD UP BY TREES』Ted Kooser

  • 2014.05.02 Friday
  • 23:33

前から気になっていたこの絵本。読んでみたら、やっぱり素敵な本でした。でも、子供向けではないですよ。
 

 


アメリカの詩人、テッド・クーサーの作品を絵本にしたもの。ピューリッツァー賞を受賞しているそうで、本国では知られている方のようですが、日本ではあまり知られていない様子。私も本作で知りました。

イラストを担当したのはジョン・クラッセン。『どこいったん』でおなじみの方ですが、こちらの絵本は、味わいのある大人の絵本という仕上がりです。ブラック・ユーモアの絵本が強烈だったので、意外な感じがしますが、元々色味を抑えた絵が多かったなあ、と思えば納得です。

お話はと言うと・・・木立に囲まれた敷地にある家。子供たちが小さい時は、林は最適な遊び場でした。茂みに隠れたり、木陰で休んだり。リスやがて子供たちは大きくなり家を離れ、一人家に残った父親も、後に家を離れます。

誰も住まなくなった家。次第に廃屋となっていく家とは反対に、木々は生命力を増していきます。人が住んでいたころは、庭に根付かなかった種子も、今ではあちこちに根をはり、すくすくと育っていきます。

時はさらに過ぎ、最後にはこんなことにまで。どんなことになるかはタイトルから想像してみてくださいね。人生という時が過ぎ去っていく喪失感と時が経つほどに生命力が増す木々の躍動感。二つの視点の対比が、この作品の肝なのだと思います。

個人的には、詩や散文に素敵な挿絵がついていると買いたくなってしまうほう。(全然イメージと違うものだとがっかりですが)絵本という形での詩集、良い組み合わせだと思うんだけどなあ。もっといっぱい出て欲しいと個人的には思っています。

こちらの絵本はお店でも扱っています。こちらからどうぞ

*『HOUSE HELD UP BY TREES』
Ted Kooser
Jon Klassen