『ぶどう酒びんのふしぎな旅』アンデルセン

  • 2016.01.29 Friday
  • 18:03
昨年はほとんどといっていいくらいブログが書けませんでした。申し訳ないです。もちろん書かなくても誰に注意されるわけでもないのですが、お店として運営している以上は、きちんとしなくては・・・と反省しきりです。でも、心から楽しいと思っていないと、なかなか言葉がでてこないものですね。プロとして文章を書いている方々はすごいです。

と、前置きは長くなってしまいましたが、今回はこんな絵本を読んでみましたよ。
 


原題は『びんの首』。アンデルセンというと人魚姫や親指姫などよく知られていますが、こちらのお話は、一作品だけの絵本としてはほとんど出版されていないようで・・・私もこのお話は知りませんでした。
藤城清治さんの影絵で綴られるアンデルセンのお話・・・なんて贅沢!と思ってしまう一冊です。実際に70ページほどのボリュームに加え、豪華なつくりの絵本となっています。

さて、お話はというと・・・
貧しい家の窓辺にある古びた鳥かご。そこに小鳥の水飲み用にと、割れたびんの首が吊るされていました。コルクで栓をされた口を下にして、小鳥を眺めています。

ふと昔を思い出したびんの首は、誰に語るというわけでもなく、懐かしい日々のことを語り出します。ガラスから生まれたびんには、上等な葡萄酒がつめられました。最高級品と書かれたラベルも素敵です。

売られていった葡萄酒の着いたところは、毛皮商人の家。その家の美しいお嬢さんが、バスケットに葡萄酒のびんを詰めました。バスケットに入れられ、野原にやってきた葡萄酒のびん。生まれて初めてコルクを抜かれたのは、お嬢さんの婚約を祝う時でした。

空っぽになったびんは、二人の門出を祝うべく、ぽーんと空に放り投げられ、思わぬところへ・・・今度は別の誰かに拾われ、予想外の人々と再開し、遠く異国の地へ行ったかと思うと、懐かしい場所に戻ってくるという、長い長いびんの旅が描かれていきます。びんの視点で描かれていくものの、登場人物それぞれが辿った人生に、なんとも言えない気持ちになります。

「このお話はハッピーエンドか」と聞かれると、正直答えるのが難しいですね。かといって、悲惨な終わり方でもないのです。「これが現実」という表現がしっくりくるかもしれません。

あとがきを読むと、藤城さんのこの作品への思い入れがわかります。これはもう、説明するよりも一読していただいたほうが、この絵本の良さがわかると思います。

*『ぶどう酒びんのふしぎな旅』
アンデルセン(作) 藤城 清治(影絵)
町田 仁(訳)
講談社(2010年刊行)
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